7.2.8. Bias
Bias
Biasは、OmnisphereのどのModulation Targetにも適用することができる便利なModulation Sourceです。Biasにはユーザー定義の「Bias Point」(キーボード上の任意のキー)があります。Bias Pointは、てこの支点として考えることができ、そこから線形のブーストやカットを上下方向に適用することができます。Bias Pointから離れれば離れるほど、その効果はより顕著になります。
BiasはKey Trackingに関連していますが、Key Trackingは、キーボード全体の特定のパラメータ(Filter Cutoffなど)に対して固定された可逆線形制御を使用しますが、Biasを使用するとより柔軟になります。
各パートには8つのBias Sourceがあります。
BIASパラメーター
Flex Modを使用している場合、BIASパラメーターは左側のModulation Zoomに表示されます。
メモ:BiasでモジュレートされているTargetを右クリックして「Show Modulation」メニューを選択することで、いつでもこれらのパラメータを表示することができます。
DIRECTION
Modulationが適用される方向を設定します。Bias Pointから上下方向(LeftかRight)に設定することができます。
メモ:Biasを両方向(Bias Pointの上下両方)に同時に使用したい場合は、2つのBias Sourceを適用することで、それぞれ異なる方向を選択することができます。キーボードの同じ領域に複数のBias Modulationを割り当てることもできます。
BIAS POINT
プルダウンメニューからBias Pointを選択します。このノートが「ゼロ地点」になり、ここからModulationが直線的に増減します。
RANGE
4XボタンをクリックするとModulationの効果が4倍になります。これをSOURCEやTARGETのAmountスライダーと組み合わせて効果の微調整をすることができます。
INVERT
Bias Pointから離れたところで演奏するとき、バイアスの効果を減らすために(例えばAmpを増やさず、減らすことができます)ModスロットのINVERTボタンを使うことができます。
AMOUNT
Targetに適用されるBias Sourceの量を制御します。
Biasを使用する
Biasを使用するためのクリエイティブな方法はたくさんあります。ここではいくつかの例を示します。
- カスタムのSoundsourceをOmnisphereにドラッグし、それがミドルCでは素晴らしいれども、C6より上の範囲では雑音が聞こえるとします(あるいはそれがあまりにも不快な音とします)。これを補正するために、Biasを使用してAmpをモジュレートすることができます。 Bias PointをC6に設定し、Directionを「Right」に設定して、範囲をINVERTします。こうすることで、C6より上に行くにつれ、レベルは低くなっていきます。急な音量変化をさせるために4X RANGEを使うこともできます。
- Biasを使用してAUXセンドをモジュレートし、キーボード上でBias Pointを高いノートに設定することで、Bias Pointより上のノートで演奏したときにのみエフェクトが聞こえるようにすることができます。高くまたは低く演奏するにつれて、FXをより顕著にしたいと思うかもしれません。この手法をアルペジエーターと組み合わせて使用すると、アルペジエーターパターンに面白さを追加することができます。
- Stack Modeで複数のパートが使用できるのと同様に、Biasを使用してレイヤ間をクロスフェードし、パート内で最大4つのキーボード分割を作成することもできます。
試してみましょう!Patchやパフォーマンス設定をカスタマイズする、多くのクリエイティブな方法を確実に見つけることができるでしょう。
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☆留意事項☆
当記事内容はSpectrasonics社が提供するOmnisphereリファレンスマニュアルを非公式に日本語訳したものです。全ての権利はSpectrasonics社に帰属します。
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