7.3.4.1. Main
Main
OSCILLATOR ZOOMのMAINサブページには、レイヤーページにすでに存在するコントロールの多くが用意されていますが、追加機能やレイアウトがいくつかあります。いくつかのコントロールは選択されたOscillatorモードによって変わります。
TRANSPOSE
TRANSPOSEはMIDIトランスポーズのように機能し、ピッチの変更が半音単位で行われます。ピッチを変えてもOscillatorの音質には影響しません。このコントロールは、オクターブやその他のインターバルなど、さまざまな半音値にOscillatorを設定するために最もよく使用されます。TRANSPOSEは、利用可能な最高の音質を提供しますが、モジュレートすることはできません。
範囲は-24半音から+24半音です。
COARSE
COARSEコントロールはFINEピッチコントロールと同じように機能しますが、はるかに広い範囲を持ちます。 TRANSPOSEとは異なり、COARSEを使用するとOscillatorの音質に影響しますが、モジュレーション可能なコントロールです。COARSEは、広範囲のピッチモジュレーションFXに役立ちます。
COARSEボタンをクリックするとCOARSEとHARD SYNCが切り替わります。これはSYNTHモードでのみ使用可能です。
HARD SYNCが選択されたとき、Mod Matrixの中のCOARSEピッチモジュレーションは、そのレイヤーに対してのみHard Syncに変わります。 COARSEを再選択するとモジュレーションは元に戻ります。
範囲は-4800から+4800セントです。
範囲は0.0から1.0です。
FINE
FINEコントロールは最も細かく、ピッチを1セント刻みで変更します。Fineピッチコントロールの最も一般的な使い方は、Oscillatorをお互いから少しずつ(15セント未満)離すことで、より豊かに聞こえるようにすることです。
FINEの範囲は、+ / - 1半音(ハーフステップ)か、+ / - 7半音(パーフェクト5度)、または+ / - 12半音(1オクターブ)から選択できます。
TRACKING
TRACKING(キーボードトラッキングとも呼ばれます)スイッチが有効になっていると、Oscillatorのピッチがキーボードに追従します。つまり、ルートのピッチは各鍵盤で変更されます。 TRACKINGが無効になっていると、Oscillatorはキーボードに追従しません。
Soundsourceが読み込まれている場合、マップによっては、いくつかの鍵盤は静的なピッチを持つかもしれません。
単一サンプル
すべての鍵盤が同じピッチで演奏されます。
マルチサンプル
各サンプルの範囲は同じピッチになります。たとえば、各オクターブに異なるサンプルがマッピングされている場合、各オクターブは単一のピッチだけを再生します。
クロマチックサンプル
すべての鍵盤にサンプルがあるので、TRACKINGが無効になっていても明らかな変化はありません。
キーボードトラッキングを無効にすると、ドローン、変わった効果音、または奇妙な音色の組み合わせに役立ちます。
SAMPLE/SYNTHモードセレクター
どちらかのモードスイッチを選択することで、レイヤーがSoundsource(SAMPLE)を読み込むか、DSPウェーブテーブル(SYNTH)を利用するかが決まります。
SAMPLEモードは、デフォルトではSoundsourceを読み込みません。SoundsourceはSoundsource Browserから選択する必要があります。
SYNTHモードのデフォルトは「SawSquare Fat」です。
Soundsource/波形ディスプレイ
どのタブが選択されているかに応じて、Soundsource/波形ディスプレイエリアには読み込まれたSoundsource(SAMPLE)や波形(SYNTH)の画像が表示されます。右側のステッパーで、Soundsource(SAMPLE)かウェーブテーブル(SYNTH)をステップスルーすることができます。ディスプレイをクリックすることで、Soundsource Browser(SAMPLE)かウェーブテーブルメニュー(SYNTH)が表示されます。
REVERSE(サンプルのみ)
SAMPLEタブを選択すると、レイヤーページやOscillator Zoomの中央下にREVERSEボタンが表示されます。オンにすると、そのレイヤーで選択されているSoundsourceの再生が反転します。オンのときはボタンが青色で強調表示されます。
REVERSEが有効になっていると、ループポイントは次の理由で非アクティブになります。
- 通常、サンプルを逆再生するときにはアタックを聞きたいと思うでしょう。ループがアクティブならそれは再生されません。
- 多くの場合、ループ部分はサウンドの末尾なので、ループがアクティブになっているとそれが聞こえます。
- 逆方向にループしたときに価値があるサンプルは、通常は、順方向や逆方向に再生しても大差ありません。
TIMBRE(サンプルのみ)
TIMBREスライダーは、さまざまな方法でSoundsourceのトーン特性を変更します。 2つのTIMBREモードと、CRUSH、そしてSHIFTがあります。この双方向スライダの中心点はnullです。つまり音色の変化はありません。
- CRUSH - Soundsourceにポリフォニックビットクラッシング(歪み)とフィルタリングが適用されます。ローパスフィルタによるビットクラッシュは、中心点から左側に適用されます。中心点から右側には、ハイパスフィルタによるビットクラッシュが適用されます。 Timbre CrushはどのSoundsourceでも効果的に機能します。
- SHIFT - サンプルのマッピングを一方向にトランスポーズし、ピッチを反対方向に変更します。これにより、Soundsourceに大幅な倍音の変化が生じます。 TIMBREスライダーを右に動かすとサンプルマッピングが下に、ピッチが上に移動し、左に移動するとその逆になります。 SHIFTがどちらの方向にでも適用されると、Soundsourceの特性は大きく変わる可能性があります。 SHIFTをModulation Targetとして使用すると、Soundsourceの特性は動的に変化します。キーボード全体にマッピングされているサンプルが多いほど、TIMBRE SHIFT効果が顕著になります。逆に、単一のサンプルしか含まれていないテクスチャや他のSoundsourceの場合、SHIFTは効果がありません。
ヒント:Soundsourceが使用しているサンプル数を確認するには、Soundsource Zoomアイコンを選択してからINFOボタンを選択します。使用したサンプルの数は「SPECS」の後にリストされています。
メモ:TIMBREスライダーのModulationを使った値の変更で、TIMBRE SHIFTが機能し、効果を聞くためには、再トリガーされなければなりません。音色の変化はサスティーンされた音では聞こえません。
START(サンプルのみ)
STARTコントロールは、Oscillatorがトリガーされたときの、サンプルの開始点を決定します。特に、サンプルの開始時の急激なアタックやクリックを除去するのに役立ちます。この設定はSoundsourceのサンプル数によって異なります。
Soundsourceは、キーボード全体にマッピングされた単一のサンプルを持つことができます(テクスチャはこの典型的な例です)。他の種類のSoundsourceでは、多くのサンプルがキーボードのさまざまな範囲にマッピングされています。これらの範囲は「ゾーン」と呼ばれます。
ゾーンの数によって、STARTスライダーの最大範囲が決まります。Soundsourceに12以上のゾーンがマッピングされている場合(ラウンドロビンを含む)、STARTスライダーの範囲は1秒です。ゾーン数が12未満の場合は、STARTスライダーの範囲は最大90秒です。 .60の範囲は、長く変化するテクスチャサウンドをモジュレートしたりArpeggiatorを使用するときに特に便利です。
START FADE
開始点の形状をコントロールするモードスイッチです。これは、特定の開始オフセットで発生する可能性があるクリックを取り除くのに役立ちます。これら3つのモードスイッチはフェードインの持続時間を設定します。
フェードインなし
ミディアムフェードイン
最大フェードイン
ANALOG(SYNTHのみ)
ANALOGコントロールを使用すると、Oscillatorのピッチと位相にムラを生じさせることができます。これにより、Omnisphereがサウンドし、ビンテージのアナログ楽器のようになります。 ANALOGコントロールを50%以下に設定すると、Oscillatorの位相が不安定になります。 50%を超えるとピッチも不安定になります。コントロールが75%を超えて増加すると、ピッチは大きくデチューンします。
ANALOGコントロールは、レイヤーページと、Main Oscillator Zoom、そしてUnison Oscillator Zoomにあります。
メモ:ANALOGコントロールはUnisonボイスにも影響するため、Unisonのデチューンが大きすぎる場合は、ANALOGコントロールを下げてください。
PHASE(SYNTHのみ)
位相(Phase)の変化は2つのオーディオ信号間の反応としてしか認識できないため、PHASEコントロールは他のレイヤーと組み合わせた場合にのみ聞こえる効果があります。
PHASEコントロールを理解するための最善の方法は、(ANALOGコントロールをゼロにして)レイヤーAにSYNTHサウンドを設定することです。 次に、UTILITYメニューからCopy Layerオプションを選択してからレイヤーBを選択し、次にUTILITYメニューからPaste Layerオプションを選択します。 これで、2つの同一のOscillatorレイヤーを聞くことができ、位相(Phase)の変化を簡単に聞くことができます。
PHASEコントロールが最小の場合、Oscillatorは波形の先頭でトリガーされます。Phaseコントロールの値が大きくなると、Oscillatorがトリガーされるポイントが移動し、他のレイヤーと位相がずれます。 水平スライダーを最大に設定すると、他のレイヤーのOscillatorと180度位相がずれます。
この方法でPHASEコントロールを使用して、多くの興味深い複合波形を作成できます。この手法は、シンセベースサウンドに特に役立ちます。
SHAPE(SYNTHのみ)
このスライダーを動かすと、選択したウェーブテーブルの波形が動き、ウェーブテーブルに応じた微妙な変化や劇的な変化がとても簡単に生じます。 SHAPEスライダーを動かすと波形表示が動的に変わります。 SHAPEスライダーはモジュレート可能です。OscillatorがNoiseに設定されている場合、SHAPEスライダーは、最小設定時のホワイトノイズ(全周波数)から最大設定時のピンクノイズ(指数関数的に減少した高周波数)まで変化する、複雑なフィルターコントロールになります。
SYMMETRY(SYNTHのみ)
SYMMETYは波形のスパンを変化させるもので、「Pulse-Width Modulation(パルス幅変調)」(PWM)に最もよく使われます。SYMMETYがModulation Targetとして使用すると、音色の動きをサウンドに追加するため、とても役に立ちます。 スライダを動かすと、波形ディスプレイは波形を動的に変化させます。OscillatorがNoiseに設定されている場合、SYMMETYスライダーは、4種類のフィルターを次々に移動する、モーフィングフィルターとして機能します。 最小設定から始めると、ローパスからノッチ・フィルタへ、次にハイパスへ、そして最後に最大設定でバンドパスになります。
HARD SYNC(SYNTHのみ)
HARD SYNCはいくつかのアナログシンセサイザーにある機能で、動かしたときに音色に「しゃがれた」二重音のような特徴を与えます。 Hard Syncは、Prophet 5のようなシンセサイザーや初期のOberheimシンセサイザーにある機能で、よりメタリックでアグレッシブな音色を作るために普及していて、特にリードサウンドに役立ちます。Hard Syncは「マスター」と「スレーブ」の2つのオシレーターを使用することで実現されます。マスターオシレーターを使ってスレーブがハードシンクされると、スレーブは強制的に波形をリスタートし、マスターがピッチをコントロールします。 スレーブオシレーターのピッチを変更してもマスターのピッチは変わりませんが、代わりに倍音と倍音構造が変化します。
これまでは、この効果を得るために1つのオシレーターを犠牲にする必要がありましたが、OmnisphereにはHard Sync専用の隠しオシレーターがあります。Hard Syncオシレーターがスレーブになり、Oscillatorの波形がマスターになります。 HARD SYNCスライダーを動かすと、波形ディスプレイが動的に変わります。 HARD SYNCはモジュレート可能です。OscillatorがNoiseに設定されていると、HARD SYNCコントロールは、最小設定ではモノラル、最大設定に向かって左右両方のチャンネルにノイズを徐々に拡散させる、ステレオ幅コントロールとして機能します。
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当記事内容はSpectrasonics社が提供するOmnisphereリファレンスマニュアルを非公式に日本語訳したものです。全ての権利はSpectrasonics社に帰属します。
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