Omnisphere Reference Site

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7.3.4.2. Frequency Modulation

Frequency Modulation

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FMはFrequency Modulationの略です。 FMは1960年代からシンセサイザーについている機能ですが、1980年代にヤマハのDX / TXシリーズのデジタルシンセサイザーで普及しました。それはガラスのような、金属的な音を作り出したり、より調和的で複雑な音を作り出すことでよく知られていました。

 

FMは、「キャリア(Carrier)」と呼ばれる1つの波形の音色を、「モジュレーター(Modulator)」と呼ばれる別の波形の周波数を使って変調することで変化させる、いわゆる周波数変調シンセシスです。

 

FMは、サイン波のような単純な波形を、非常に複雑に聞こえるようにすることができます。 Omnisphereでは、どのようなSoundsourceやDSPウェーブテーブルでもFMを使って変調することができます。

 

Omnisphereの各レイヤーには、モジュレーター(Modulator)として機能する専用のFMオシレーターがあります。この専用オシレーターは色々な波形を利用することができ、専用オシレーターのFrequencyや、Depth、Shape、Symmetry、Hard Syncはモジュレートすることができます。

 

FM POWER SWITCH

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FMモジュレートする専用オシレーターをオンやオフにします。

 

FM MODULATOR

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多くのFMシンセサイザーモジュレーターとしてサイン波のみを使用しますが、Omnisphereは500を超えるウェーブテーブルのいずれかを使用できます。波形ディスプレイをクリックしてメニューから選択するか、画像の右側にあるステッパーの矢印を使用することで選択できます。

 

TRACKING

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小さな音楽キーボードスイッチはキーボードトラッキングを有効または無効にします。TRACKINGボタンは、モジュレーターオシレーターがキーボードに追従するかどうかを決定します。

 

TRACKINGがオンの場合、モジュレーターオシレーターはキーボードをトラッキングします。つまり、キーごとにピッチが変わります。 TRACKINGがオフの場合、モジュレーターはキーボードでピッチを変えません。どのキーを弾いても同じピッチを保ちます。これは、より緊張感のあるサウンドや、ノイズのようなサウンドに役立ちます。

 

FREQUENCY

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モジュレーターオシレーターの周波数をコントロールします。モジュレーターは聞こえないので、もとのオシレーターのピッチを変えることはありませんが、代わりにオシレーターの波形の音色特性を変えます。

 

この水平スライダーを最小値より少し上に設定すると、LFOタイプのピッチエフェクトを生み出します。スライダーを最大値に近づけるほど周波数が上がり、音色が変化するほど速く振動します。

FREQUENCYスライダーに沿った刻み目は、最も音楽的に役立つ結果を生み出す周波数比の目印です。

 

刻み目のこれらの値は、以下の比率の小数バージョンです。

 

.5、1:1、1:1.5、1:2、は.250、.500、.750、1.00と表示されます。

 

範囲は0.000から1.000です。

 

DEPTH

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モジュレーターの深さを調節します。 DEPTHスライダーを高く設定するほど、専用モジュレーターはオシレーターの音色に影響を与えます。

 

範囲は0.000から1.000です。

 

DEPTH SWITH

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NORMALタブを選択すると、DEPTHの範囲は狭くなりますが解像度が上がり、繊細なFMカラーをサウンドに追加するのに役立ちます。 BOOSTを選択すると、DEPTHの範囲ははるかに広くなり、より劇的なFMサウンドを生成することができます。

 

FM SHAPE

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このスライダーを動かすと、モジュレーターとして選択されているウェーブテーブルに応じて、様々な変化をとても簡単に生じさせることができます。 FM SHAPEスライダーを動かすと、波形ディスプレイは動的に波形を変化させます。

 

FM SYMMETRY

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FM SYMMETRYは、モジュレーターとして選択されているウェーブテーブルのスパンを変化させるもので、「Pulse-Width Modulation(パルス幅変調)」(PWM)に最もよく使用されています。 FM SYMMETRYをModulationの送り先として使用すると、音色の動きをサウンドに追加するため、とても役に立ちます。 FM SYMMETRYスライダーを動かすと、波形ディスプレイは動的に波形を変化させます。

 

FM SYNC

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HARD SYNCはいくつかのアナログシンセサイザーにある機能で、動かしたときに音色に「しゃがれた」二重音のような特徴を与えます。 Hard Syncは、Prophet 5のようなシンセサイザーや初期のOberheimシンセサイザーにある機能で、よりメタリックでアグレッシブな音色を作るために普及していて、特にリードサウンドに役立ちます。Hard Syncは「マスター」と「スレーブ」の2つのオシレーターを使用することで実現されます。マスターオシレーターを使ってスレーブがハードシンクされると、スレーブは強制的に波形をリスタートし、マスターがピッチをコントロールします。 スレーブオシレーターのピッチを変更してもマスターのピッチは変わりませんが、代わりに倍音倍音構造が変化します。FM SYNCスライダーを動かすと、波形ディスプレイは動的に波形を変化させます。

 

これまでは、Hard Sync効果を得るには1つのオシレータを犠牲にする必要がありましたが、OmnisphereにはHard Sync専用の隠しオシレータがあります。 Hard Syncオシレータがスレーブになり、Oscillatorの波形がマスターになります。

 

 

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当記事内容はSpectrasonics社が提供するOmnisphereリファレンスマニュアルを非公式に日本語訳したものです。全ての権利はSpectrasonics社に帰属します。

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