7.3.4.3. Ring Modulation
Ring Modulation
RINGはRing Modulationの略で、FMと概念が似ています(そしてパラメーターはFMサブページのものとまったく同じです)。 Ring Modulationでは、両方のオシレータの周波数が掛け合わされ、それによって全体の振幅が変わります。
伝統的に、Ring Modulationは、高周波数の鐘が鳴るような倍音を作り出す効果として使用されています。ただし、OmnisphereのRing Modulatorはポリフォニックでキーボードに追従することができます。つまり、ピッチを固定する必要はありません。キーボードのピッチに従うことができます。その結果、従来のRing Modulatorよりもはるかに音楽的で使いやすいものになります。
Omnisphereの各レイヤーには、Ring Modulation専用のオシレーターがあります。この専用オシレーターは様々な波形を利用することができ、専用オシレーターのFrequencyや、Depth、Shape、Symmetry、Hard Syncはモジュレートすることができます。
RING MODULATOR
モジュレーターとして機能する500以上の波形やウェーブテーブルを選択できます。波形ディスプレイをクリックしてメニューから選択したり、画像の右側にあるステッパーの矢印を使用して選択できます。
RING MOD POWER SWITCH
TRACKING
小さな音楽キーボードスイッチはキーボードトラッキングを有効か無効にします。TRACKINGボタンは、モジュレーターオシレーターがキーボードに追従するかどうかを決定します。ほとんどのRing Modulatorはキーボードに追従しません。これはRing Modulatorのサウンドの1つの個性ですが、Omnisphereは必要に応じてキーボードトラッキングを有効にすることができます。
キーボードトラッキングがオンの場合、Ring Modulatorのオシレーターはキーボードによってピッチを変えます。キーボードトラッキングがオフの場合、どの鍵盤を弾いてもモジュレーションオシレーターのピッチは変わりません。
FREQUENCY
モジュレーションオシレーターの周波数を制御します。 FREQUENCYスライダーを最小値に設定すると、非常に遅いモジュレーションが聞こえます。モジュレーターは可聴範囲なので、異なる値の間で動かすと、様々な倍音がより目立ちます。
FREQUENCYスライダーに沿った刻み目は、最も有用な結果を生み出す周波数比の目印です。
刻み目の値は、次の比率の小数です。
1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、は、.250、.500、 .750、1.00として表示されます。
範囲は0.000から1.000です。
DEPTH
この水平方向のスライダーは、Ring Modulationの深さをコントロールします。これは、オシレーターとモジュレーションオシレーターの間で発生する相互作用の量を意味します。
範囲は0.000から1.000です。
DEPTH SWITCH
この水平方向のスライダーは、Ring Modulationの深さを制御します。これは、モジュレーターとキャリアの間で発生する相互作用の量を意味します。
RING SHAPE
このスライダーを動かすと、モジュレーターとして選択されているウェーブテーブルに応じて、様々な変化を簡単に生み出すことができます。 RING SHAPEスライダーを動かすと、波形ディスプレイは動的に波形を変化させます。
RING SYMMETRY
RING SYMMETYは、モジュレーターとして選択されているウェーブテーブルのスパンを変化させるもので、「Pulse-Width Modulation(パルス幅変調)」(PWM)に最もよく使用されています。 RING SYMMETRYをModulationの送り先として使用すると、音色の動きをサウンドに追加するため、とても役に立ちます。 RING SYMMETRYスライダーを動かすと、波形ディスプレイは動的に波形を変化させます。
RING SYNC
HARD SYNCはいくつかのアナログシンセサイザーにある機能で、動かしたときに音色に「しゃがれた」二重音のような特徴を与えます。 Hard Syncは、Prophet 5のようなシンセサイザーや初期のOberheimシンセサイザーにある機能で、よりメタリックでアグレッシブな音色を作るために普及していて、特にリードサウンドに役立ちます。Hard Syncは「マスター」と「スレーブ」の2つのオシレーターを使用することで実現されます。マスターオシレーターを使ってスレーブがハードシンクされると、スレーブは強制的に波形をリスタートし、マスターがピッチをコントロールします。 スレーブオシレーターのピッチを変更してもマスターのピッチは変わりませんが、代わりに倍音と倍音構造が変化します。RING SYNCスライダーを動かすと、波形ディスプレイは動的に波形を変化させます。
これまでは、Hard Sync効果を得るには1つのオシレータを犠牲にする必要がありましたが、OmnisphereにはHard Sync専用の隠しオシレータがあります。 Hard Syncオシレータがスレーブになり、Oscillatorの波形がマスターになります。
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☆留意事項☆
当記事内容はSpectrasonics社が提供するOmnisphereリファレンスマニュアルを非公式に日本語訳したものです。全ての権利はSpectrasonics社に帰属します。
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